骨折の際は早めに病院へ
犬や猫の骨折治療は簡単なものではありません。骨折の治療は、骨が折れてから数日の間に、どんな治療をしたかということが、骨折治癒に大きく影響します。骨折から日数が経過してしまうと、骨折部の変位が悪化したり、骨折部周囲の筋肉が硬直するため、骨折の整復治療が難しくなっていきます。
また、治療が適切でなければ、骨折が治らなかったり(癒合不全)、変形癒合によって正常な歩行が困難になったりしてしまいます。さらに、再骨折したり、骨萎縮が生じたりなど、骨折治療後に生じるトラブルも少なくありません。そうなると、大切な家族であるペットのQOL(生活の質)が大きく低下してしまう可能性があります。
当院ではAO(スイスに本部を置く骨折治療の基礎、臨床的研究グループ)法の原則に基づいた骨折治療を行い、大切な家族が早期に安全な運動が可能となるようにサポートいたします。
また、治療が適切でなければ、骨折が治らなかったり(癒合不全)、変形癒合によって正常な歩行が困難になったりしてしまいます。さらに、再骨折したり、骨萎縮が生じたりなど、骨折治療後に生じるトラブルも少なくありません。そうなると、大切な家族であるペットのQOL(生活の質)が大きく低下してしまう可能性があります。
当院ではAO(スイスに本部を置く骨折治療の基礎、臨床的研究グループ)法の原則に基づいた骨折治療を行い、大切な家族が早期に安全な運動が可能となるようにサポートいたします。
骨折の分類
骨折の治療では、骨折した骨の種類や部位、骨折の仕方(単純骨折、粉砕骨折など)、動物の年齢などによって必要な治療選択が大きく異なります。当院ではレントゲン検査によって、骨折の分類を行い、ペットにとって一番適切な治療法を飼い主様にご提案させていただきます。
骨折の症状
骨折の症状は、部位や程度によって様々ですが、もっとも多く見られる症状は骨折部の「痛み」や「腫れ」です。また、『足が地面につかない』『足に体重がのっていない』という症状も同時に見られることが多いです。
トイプードルを代表とする小型犬は非常に骨が細いため、ある程度の高さから落下してしまうと簡単に骨折してしまうことがあります。また、発育期の子犬・子猫も骨が柔らかいため、外傷(ぶつかる、落下する、転ぶなど)によって簡単に骨折してしまうことがあります。
骨折かもしれない?という症状がみられた場合、早めに病院を受診していただくことが大切です。
トイプードルを代表とする小型犬は非常に骨が細いため、ある程度の高さから落下してしまうと簡単に骨折してしまうことがあります。また、発育期の子犬・子猫も骨が柔らかいため、外傷(ぶつかる、落下する、転ぶなど)によって簡単に骨折してしまうことがあります。
骨折かもしれない?という症状がみられた場合、早めに病院を受診していただくことが大切です。
骨折の主な治療法
プレート法
骨に直接金属プレートを当てて、スクリュー(ネジ)で骨とプレートを固定する方法です。四肢の骨折では最も一般的な治療法になります。当院では、チタン製のプレート・スクリューを用いて治療を行っています。チタンは他の金属製インプラントと比較し、生体親和性がよいため、身体への影響が少ないという特徴や感染抵抗性が強いという特徴があります。
以下にプレート固定における一般的なメリットやデメリットを説明します。
以下にプレート固定における一般的なメリットやデメリットを説明します。
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Meritメリット
- 安定した固定力が得られるため、術後早期の機能回復が望めます。
- 骨折部をなるべく正確に整復することが可能です。
- 様々な骨折タイプに適応することが可能です。
- 外見には全く見えず、動物へのストレスが少ないです。
- 通院頻度が少なくすむことが多いです。
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Demeritデメリット
- 外科的侵襲を伴います。
- スクリューやプレートの抜去が必要なことがあります。
- 細菌感染に弱いです。
創外固定法
整形外科用ピンで、皮膚の外から骨を固定する治療法です。骨折部位をあまり触らずに固定を行うため、治癒能力を高める治療が可能です。交通事故による開放骨折(骨折した際に皮膚が破れて、骨が外に露出する状態)や粉砕骨折に適応することが多いです。
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Meritメリット
- 治癒能力を高いまま維持できます。
- 様々な骨折タイプに適応することが可能です。
- 感染を伴っているような開放骨折にも適応可能です。
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Demeritデメリット
- 皮膚から金属インプラントが露出しているため、外見が悪くなります。
- 動物にストレスがかかることがあります。
- 排液管理のため、こまめな通院が必要となります。
- 金属インプラントは全て取り除く必要があります。
ピンを使用した固定
K-wire、スタイマンピンと呼ばれる整形外科用ピンを用いて固定を行います。
骨折タイプによって髄内ピン法やクロスピン法を用います。また、必要に応じてサージクワイヤー固定やテンションバンド固定を併用します。プレート法や創外固定法と併用することもあります。
骨折タイプによって髄内ピン法やクロスピン法を用います。また、必要に応じてサージクワイヤー固定やテンションバンド固定を併用します。プレート法や創外固定法と併用することもあります。
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Meritメリット
- 他の固定法が適応できないような関節内骨折、成長板骨折に適応することができます。
- 他の固定法と併用することで強固な固定を得ることができます。
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Demeritデメリット
- 金属インプラントは抜去が必要なことがあります。
- 単独の使用では固定能力が弱いことがあります。
副子固定法
いわゆるギプス固定で、手術を行わずに皮膚の外側からギプスを装着して、骨折部を固定する方法です。骨が完全に骨折しておらず、ヒビが入っている状態(不全骨折)など限られた骨折に適応されます。また、他の固定法に併用されることもあります。
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Meritメリット
- 手術を行わないため、外科的侵襲がありません。
- 費用が安価です。
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Demeritデメリット
- 固定能力が弱いです。
- 巻き替えのためにこまめな通院が必要です。
- 皮膚障害が発生することがあります。
よくある質問
- Q
折治療後の金属プレートは入れたままでも大丈夫ですか?
-
A
当院ではチタン製のプレート・スクリューを使用しております。一般的にチタンは体に異物反応が起こりにくいため、体内に永久的に残しておいても問題になることは少ないです。しかし、感染を伴っている場合や、刺激になっている場合などは除去する必要があります。
- Q
骨折の治療後はどれくらい安静が必要ですか?
-
A
骨折部の骨癒合が確認されるまで厳重な安静が必要です。骨癒合にかかる期間は骨折の種類や年齢、治療法などに大きく左右されますが、一般的に1〜3ヶ月が目安です。